マリアナ海溝とエベレスト

小説

第一話 変化と変化

・また面倒なことを

「お〜い‼︎海斗!!面白いこと思い付いたんだけど、やるだろ??」

大和が叫びながらこっちに向かってくる。
大概、こういうテンションで来るときはろくなことがない。

「なに??」

ボクは心の底から声が出た。
大和の「面白いこと」は本当にろくなことがないのだ。
どうせ、また面倒なことをやらされるに違いない。

「今度こそ、俺と海斗のどっちが上かを決めようぜ!!」

ほら。やっぱり面倒くさい。
どっちが上かなんて決める必要あるか??

一応説明しておくと、大和は何もボクと学力で争おうとしているわけじゃない。
学力で大和がボクに勝てるはずがないからな。

だが、大和にもボクに負けず劣らずの才能がある。

「スポーツ」に関する才能だ。

大和は、スポーツなら何でも出来る。
バスケ、野球、サッカー、テニス、ゴルフ、ハンドボールなど
大和が得意とするスポーツは数多くあり、どれも全国トップクラスなのだ。

とどのつまり、ボクにも大和にも人並外れた才能があり、二人とも昔からの知り合い。
似てるところも多いため、周りから比べられることも少なくない。

だから、大和はその戦いに決着をつけようとしているのだ。

「上って、どういう基準で決めるんだよ。」
「そもそも人間に上も下もないだろ。」

ボクは逃げようとするが、大和は逃がさない。

「俺はスポーツ、海斗は勉強が出来る。
でも、俺は勉強もそこそこ出来るし、海斗もスポーツはそこそこ出来る。
だから、他の分野で勝負しよう!!」

名案とでも言わんばかりに胸を張って言った。

「他の分野??例えば??」

もう観念してさっさと終わらせようとする。

「音楽とかどうだ?あんまりどっちもやらないだろ。
一週間ピアノの練習して、音楽の先生にどっちが上手いか見てもらうんだ!!
悪くないだろ????」

ボクはそれを了承し、ピアノの練習をすることになった。
ピアノの練習をするぐらいなら文献を読み漁りたいのだが、、、

だが、練習しないという選択肢はない。
ボクには、夢を邪魔されることより、負けることの方が許せないからだ。

勝負を受けなければ逃げたことになる。
それも論外だ。
だから、一週間練習し、大和をボコボコにしたら、二度とボクの邪魔をされないようにしてやる。

そうしてボクは、一週間ピアノの練習をすることになった。

つづく


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